2007年01月01日

Internet Prospects for 2007

編集人(RFC NEWS)

 RFC NEWS読者のみなさま、あけましておめでとうございます。

 記事のアップデートが滞ることもありましたが、何とか1年間Webサイトを運営できました。Google Analyticsのレポートを見ると、当初想定した企業や大学などから多くのアクセスをいただいているようです。少しでも日本のIT産業に役立つことを心から願っております。

 さて、2006年は過去最多468件ものRFCが公開されました。2005年に発行されたRFCは327件ですので4割増という例のない状況です。

 RFCには過去大きな傾向があり、1994年前後から2000年ごろに発行されたRFCはインターネットの普及にあたり、「使いやすく」することがテーマになっていました。2000年ごろから2005年までは、ブロードバンド化にあたり、過去のプロトコルをスケールアップしたり、動画や画像などのマルチメディアコンテンツを扱うことがテーマだったといえます。2006年に発行されたRFCを見ると、MPLS/GMPLSやSIP、RTPなど、NGNを見据えた下位層プロトコルが多いことに気づきます。どうやら今後のインターネットの技術はNGNに向かって進んでいきそうです。

 しかし、インターネットとNGNは相容れるものではありません。標準化の方法からして、インターネットはIETFによるラフコンセンサス、デ・ファクトが基本の世界であるのに対し、NGNはITUによる国際規格、デ・ジュールが基本の世界です。両者を比較すると以下のようになるでしょう。

項目 インターネット NGN
標準化作業 IETF ITU
企業 ISP、通信機器メーカー 通信事業者
アプリケーションの実装 エッジ側 コア側
Google
Skype ×
新規サービスの開発 容易 承認が必要?
セキュリティ 自己責任 中央制御
大学(のイメージ) 慶応SFC 東大
学部(のイメージ) 情報科学 電気通信
交通網に
たとえると
ハイウェイ
(自動車であれば何でも走るが、
混雑することもある)
新幹線
(鉄道会社の運行方針に従うので、
基本的にはダイヤ通り)

 非常に恣意的な比較ですが、国内巨大通信会社のM氏に教えていただいた内容を元にしております。IPという同じ技術を用いながら、NGNは通信会社が生き残るためにSkypeを認めず、インターネットの技術を横取りする、と考えればいいでしょう。技術の違いではなく、ポリシーの違い、と思えばいいわけです。

 i-modeの普及を見ればわかるように、技術オタクでない一般ユーザーにとって、通信会社が面倒を見てくれるネットワークというのは案外居心地のいいものです。インターネットが自由で素晴らしいもの、NGNが不自由で楽しくないもの、とは断定できないわけです。

 というわけで、2007年はインターネット vs NGNの戦いを背景に、さまざまな技術が登場すると思われます。更新作業は大変ですが、楽しい1年になると思います。それではみなさま、2007年もよろしくお願いします。

2006年09月26日

the 25th anniversary of the TCP/IP Internet standards

編集人(RFC NEWS)

 TCP/IPの基本仕様を定めているRFC 791およびRFC 793が発行されてから、25年が経ちました。

■ISOCのページ
Celebrating the 25th anniversary of the TCP/IP Internet standards

2006年06月30日

Overview:First Half of 2006

編集人(RFC NEWS)

 本日をもって2006年上期のRFCの概要をすべて公開できました。いまだに工事中で、どういう形で正式公開するか未定の「RFC NEWS」ですが、ログ解析のグラフを見るとすでにリピートユーザーがいらっしゃるようで感謝の念に堪えません。僭越ながら今期の傾向を概観すると、次のようになると思います。
 大きなRFCとしては、SSH、BGP-4、BGP/MPLS IP VPN、LDAPの仕様がいっせいに規格化/改訂されたことがあるでしょう。SSHとBGP/MPLS IP VPNはこれまで正式のRFCがありませんでしたが、今後は国際標準技術として実装が進んでいくと思われます。BGP-4、LDAPは既存の仕様をブラッシュアップし、スケーラビリティと技術の拡張性を確保する方向で改訂されています。
 光ネットワーク技術として注目されるGMPLS関連の仕様が続々とRFC化されており、今後も多くの関連文書が出てくることが予想されます。トラフィックエンジニアリング(TE)関連のRFCもずいぶん増えてきました。IP電話の利用が進み、SIPの拡張仕様も相変わらず活発に発行されています。また、IPv6もいよいよ普及の前段階に差し掛かっているようで、実際に導入する場合の諸問題を解決する文書がいくつかRFC化されています。電子メールでは、スパムを防止するための技術が実験的仕様としていっせいにRFC化されたのが特徴的でした。
 この6か月で発行されたRFCは全部で246件(=日本時間。現地時間上期では254件)。2005年中に発行されたRFCは327件ですので、2006年は過去最多のRFCが発行されると考えて間違いないでしょう。インターネットの技術は、いよいよ盛り上がってきていますが、日本生まれのRFCは相変わらず少ないです。IT技術者のみなさん、がんばってください。なお、RFC概要部分の翻訳は、エントリーによって品質にかなりのばらつきがあります。誤記、誤訳などご指摘いただければ幸いです。

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