RFC NEWS読者のみなさま、あけましておめでとうございます。
記事のアップデートが滞ることもありましたが、何とか1年間Webサイトを運営できました。Google Analyticsのレポートを見ると、当初想定した企業や大学などから多くのアクセスをいただいているようです。少しでも日本のIT産業に役立つことを心から願っております。
さて、2006年は過去最多468件ものRFCが公開されました。2005年に発行されたRFCは327件ですので4割増という例のない状況です。
RFCには過去大きな傾向があり、1994年前後から2000年ごろに発行されたRFCはインターネットの普及にあたり、「使いやすく」することがテーマになっていました。2000年ごろから2005年までは、ブロードバンド化にあたり、過去のプロトコルをスケールアップしたり、動画や画像などのマルチメディアコンテンツを扱うことがテーマだったといえます。2006年に発行されたRFCを見ると、MPLS/GMPLSやSIP、RTPなど、NGNを見据えた下位層プロトコルが多いことに気づきます。どうやら今後のインターネットの技術はNGNに向かって進んでいきそうです。
しかし、インターネットとNGNは相容れるものではありません。標準化の方法からして、インターネットはIETFによるラフコンセンサス、デ・ファクトが基本の世界であるのに対し、NGNはITUによる国際規格、デ・ジュールが基本の世界です。両者を比較すると以下のようになるでしょう。
| 項目 | インターネット | NGN |
| 標準化作業 | IETF | ITU |
| 企業 | ISP、通信機器メーカー | 通信事業者 |
| アプリケーションの実装 | エッジ側 | コア側 |
| ○ | △ | |
| Skype | ○ | × |
| 新規サービスの開発 | 容易 | 承認が必要? |
| セキュリティ | 自己責任 | 中央制御 |
| 大学(のイメージ) | 慶応SFC | 東大 |
| 学部(のイメージ) | 情報科学 | 電気通信 |
| 交通網に たとえると |
ハイウェイ (自動車であれば何でも走るが、 混雑することもある) |
新幹線 (鉄道会社の運行方針に従うので、 基本的にはダイヤ通り) |
非常に恣意的な比較ですが、国内巨大通信会社のM氏に教えていただいた内容を元にしております。IPという同じ技術を用いながら、NGNは通信会社が生き残るためにSkypeを認めず、インターネットの技術を横取りする、と考えればいいでしょう。技術の違いではなく、ポリシーの違い、と思えばいいわけです。
i-modeの普及を見ればわかるように、技術オタクでない一般ユーザーにとって、通信会社が面倒を見てくれるネットワークというのは案外居心地のいいものです。インターネットが自由で素晴らしいもの、NGNが不自由で楽しくないもの、とは断定できないわけです。
というわけで、2007年はインターネット vs NGNの戦いを背景に、さまざまな技術が登場すると思われます。更新作業は大変ですが、楽しい1年になると思います。それではみなさま、2007年もよろしくお願いします。


